超音波のパイオニア 日本アレックス
電解洗浄とは電解液中で品物をプラスにして直流電流を流し、この時製品表面から発生する水素の気泡の剥離力を利用し製品に付着した汚れを取る工程です。この工程によってある程度汚れが剥離した状態で、超音波キャビテーションにより浮上った汚れを粉々にし洗浄を行う新しい方法です。洗浄液も弱アルカリの物を利用していますので環境に優しい洗浄方法とも言えます。酸化皮膜や油脂汚れ、ガス焼けや樹脂残りなどに最適です。
電解液中への通電によって水素ガスが発生します。
超音波洗浄はキャビテーションと言われる物理力での洗浄となります。20kHz~100kHzぐらいの超音波振動を液中に照射すると液中の音波の音圧サイクル、つまり高速な正・負の圧力が液体に交互にかかり、瞬間的に負圧時に液体が引き裂かれ空洞が生じる現象が起きます。
次の瞬間その空洞は正圧時に液圧とともに圧縮消滅し、非常に強い衝撃波となって周囲に大きな圧力を及ぼします。
この空洞現象がキャビテーション現象といわれるものです。
例えば、周波数28kHzの場合1秒間に約28,000回この現象が起こり、液中には無数のキャビテ-ション現象が発生し、衝撃波となって洗浄物に付着している汚れを物理的衝撃力で剥離し強力に洗浄することが出来ます。
キャビテーションの衝撃力は周波数によって違い、周波数が高くなればなるほど振幅が小さくなる為、物理的衝撃力も弱くなってきます。反対に振幅が小さい分キャビテーションの数が多くなるので微細な汚れに対して効果を発揮し、被洗浄物に対するダメージも小さくなります。汚れが油分、焼け等、頑固な物でワークは硬質でダメージに対して懸念材料が無いので最も低周波である28kHzが最適と思われ、ダメージの可能性等を検討する必要があれば40kHzの方が良いと思われます。
金型のメンテナンス、インジェクターピン、精密加工部品、ドリルやダイス、治工具等の幅広い金属ワークに対して有効です。樹脂のガス焼けやコア等に付着したデボジット、さらに酸化皮膜、錆、油脂汚れなど。特に金型メンテナンスにおける各種問題点を一挙に解決できます。ポリアセタール(ジェラコン・デルリン)等の強固な皮膜も容易に除去できます。
銅合成・アルミ合金・亜鉛合金の素材は使用できませんのでご注意ください!